南会津高校の統合計画に反対します

地域にとって高校があるかないかは生き方を大きく変える問題です。数合わせではなく、地域の暮らしを守るためいかにして残して行くかを考えるべきではないでしょうか。私たちは、福島県教育委員会の県立高校改革前期計画に反対します。

合意形成なしの改革

11月26日に行われた県立高等学校改革懇談会で県教育委員会は、統合校となる現在の田島高校の敷地内に寄宿舎を建設することと、統合により通学距離が遠くなる生徒に対し助成していく考えを示した上で、鈴木淳一教育長は「今後は田島高校と南会津高校の統合を前提に計画通り進めて行く」と発言されました。

これは今後は統合に向けて寄宿舎の建設やバスの運行など、具体的事項について実質的な話し合いをしていくことを意味するもので、私たち南会津高校の存続を願う住民の声には応じない、統合の是非についての協議はしないことを示すものです。

私たちはこれまで通学に関し、最も遠くて50km以上となる距離、そして豪雪地帯である南会津地域の気候から通学の困難さを訴えるとともに、早急な統合計画に反対してきました。教育長の上記の発言は、この訴えに対する返答であり、これを解消すれば統合しても問題ない、という主旨です。

しかし、鈴木教育長。私たちはそのような解決策を望んでいるのではありません。私たちが望んでいるのは、もっとこの地域の気候や私たちの暮らしの状況を見た上で、少子化の課題とともに地域の高校のあり方を協議しましょう、ということなんです。

上意下達に計画を進めようとする改革案に対する意志の強さ、必要性の主張は理解します。確かに少子化は大きな問題です。しかし、論点を通学だけに絞ったり、当初から統合ありき、期限を決めた上で計画を進めるという姿勢はいかがなものでしょう。子どもの数に合わせて高校の数を調整する、という考え方の計画は、本当に子どもたちのより良い学びに繋がるのでしょうか。

さらに、県教育委員会はこれまでの説明会では私たちの質問に対する明確な返答なしに「今後検討する」を繰り返すばかりの姿勢を貫いてきました。それが今回の懇談会で一転して「これでおしまい」とばかりに今回寄宿舎の建設と通学費助成について発表しました。自ら発表して「もう協議はしません」。

「合意形成」のかけらもない強引な手法で、これまで大切に育んできた高校がなくなることは許せません。高校があるかないかは、子どもたちにとっても、そして私たち地域住民にとっても大きな問題だということを理解されていますか。

皆さんはいかが思われますか。